韓国の緊急災害支援金の詳細と日本の特別定額給付金の違い

緊急災害支援金
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韓国旅行

日本でもコロナの特別定額給付金が、日本で働いている外国人にも支給されることが決まって一安心のぷーもぐです。韓国人彼氏のぷーさんは日本で働いてきちんと税金を納めているので、給付が決まって本当に良かったです。このたび韓国でも緊急災害支援金として、各家庭に支援金が配布されることが決まりました。本日は韓国のコロナ経済対策である緊急災害支援金(긴급재난지원금)についてお伝えします。

韓国のコロナ対策は日本より進んでいる

わたしに韓国人彼氏のぷーさんを紹介してくれた会社の同期、韓国人女子のちーちゃんですが、韓国で出産するためにこの間一時帰国をしました。




ちーちゃんは韓国に帰ったあとすぐにPCR検査を行ったのはもちろんのこと、政府指定のアプリをダウンロードして、空港から実家までのGPSを計測されたりそのアプリに毎日朝晩体調を入力して送信したり、驚いたのは1日に2回ほど保健所からランダムな時間に電話がかかってきて、体調やどこにいるのかを確認されるのです。PCR検査を受けるために何日も待つ日本と比べて管理がしっかりしています。(ちーちゃんは無事陰性でした。良かった~~)

また、そのアプリにはプッシュ通知で10分に1回くらい「◎◎でコロナ感染者が出ました!」と近場のコロナ感染について連絡が来るそうで、韓国の検査体制や情報開示のシステムが日本と比べてかなり進んでいると思いました。ちーちゃんは韓国の実家で2週間は家族と別の食事を取るなど、家庭内でも隔離していたのはもちろんですが外に行かないよう、政府から自宅療養者用の食品・日用品セットが届いたそうです。

▼実際にちーちゃんが受け取った自宅療養者セット(おいしそう・・・)日本でも一部で行政からこのようなセットを届く地域もあるようですが、全国的にはまだまだ自宅療養者が自分でスーパーに買い物に行かなくてはいけない状況になっています。また、日本でいうマイナンバーカードのような住民番号(19歳以上になるともらえる)が韓国にはあり、その番号の末尾によって、曜日別にマスクが購入できる日を指定したりとITの活用も進んでいると感じます。そんな韓国ですが、各家庭にコロナ対策のための支援金の配布が決まりました。

韓国の緊急災害支援金は、日本より少ない

意外と少ない韓国の緊急災害支援金

コロナの検査体制や自宅療養者の管理など、日本よりも圧倒的にコロナ対策が進んでいる韓国ですが、緊急災害支援金(긴급재난지원금)は思ったよりも少ないぞ・・・?と感じました。

日本の特別給付金は1人につき、10万円ですが韓国の緊急災害支援金(긴급재난지원금)は一世帯ごとに支給されます。

単身者 40万ウォン (約4万円)
2人家族 60万ウォン (約6万円)
3人家族 80万ウォン (約8万円)
4人以上 100万ウォン (約10万円)

4人家族だと1人3万円ももらえないんですね。日本は4人家族で40万円もらえるので大きな差です。

ほとんどの世帯は現金で支給されない

しかもこの給付金、ほとんどの世帯では現金で支給されません。どういうことかというと、この災害支援金は、元々世帯年収下位30%の生活保護を受けているような世帯のみ配布される予定でしたが韓国の与党が総選挙で全世帯へ給付することを公約にあげていたため急遽全世帯への配布が決まったのです。よって、現金で配布されるのは一部の対象世帯のみで、他の世帯は、地域限定で使える商品券やクレジットカードのポイントとして還元されます。

また、韓国に住んで働いている外国人は配布対象とはならず、対象は韓国国籍を持つひとまたは永住権を持っているひとだけです。そして、韓国国籍を持っていても、ぷーさんのように1カ月以上韓国を離れているひとは対象外となります。また、申請はオンラインでもオフラインでもできますが、まず一定の期間はオンラインのみでの申請となります。そのオンラインもサーバーダウンしないよう、アクセスできる曜日を韓国の住民番号で分けています。

例えば住民番号末尾が1だったら、月曜日しか申請・確認ウェブサイトにログインできないようになっています。本当に韓国政府のIT活用は進んでますね。日本は特別定額給付金の申請サイト、やっぱり初日はサーバーダウンしてましたもんね。

韓国の緊急災害支援金で問題になっていること

全世帯への緊急災害支援金配布が決まってから、韓国国内で問題になっているのがスウォン(水原/수원)という地域への二重支払です。緊急災害支援金の配布が決まる前に、スウォン市は国に先駆けて市民に支援金を配布していたのです。現状だとスウォン市民にも国からの支援金が支払われそうな雰囲気ですが、どうなるのでしょうか?率先して市民に支援金を配布するなんて、日本ではあり得ない判断で素晴らしいと思います。

支援金から見る日韓の福祉への考え方の違い

日本も特別定額給付金が一律10万になる前は、低所得世帯のみに30万円配布する方向でした。一律10万円になったのは、申請やら基準やらで時間がかかるということもありましたが、日本はどちらかという皆平等精神のUniversal welfare(普遍主義)の考え方が大きく、一方韓国は、必要な人に必要なものを、というSelective welfare(選別主義)の考え方が強いのではないかと思いました。

日本の場合、永住権を持っていない外国人にも、高所得者にも一律で支援金を配布することに意見が割れていますが、韓国はSelective welfareの考えが一般的であり、今回の外国人は対象外、低所得者層意外は現金給付はしない、という判断もうなずけます。どちらが良い、悪いではなく、福祉に対しての国の違いが興味深いと感じました。

ということで、本日は韓国のコロナ経済対策である緊急災害支援金(긴급재난지원금)についてお伝えしました。ありがとうございました。

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もぐ

日韓夫婦ぷーもぐのもぐです。 茨城のド田舎ですくすく育ち、国際教養大学を卒業、東京で会社員生活してます。 アラサーを控え婚活迷子に陥っていたとき、韓国人ぷーさんと出会いました。 旅行と食べることが大好きで、夢はぷーさんとウリ赤ちゃんと世界一周です!